中国正月と花火と、俺のマレーシア
昨日から中国正月が始まった。
一昨日の夜は、花火があちこちで上がってた。
花火が上がるたびに、俺は目が覚める。爆竹もひどい。
あの音、ただの“うるさい”じゃない。
突然、胸の奥を殴ってくる。心臓がドキッと跳ねるのが自分でもわかる。
正直、心臓に病気がある人がいたら大丈夫なのか?って思う。
心臓発作とか、起きないのかよ…と心配になるレベルだ。
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マレーシアは多民族国家。
だから民族ごとの祭りが来るたびに、国全体が祝日になる。
正月。中国正月。イスラムのハリラヤ。収穫祭。独立記念日。ディーパバリ。クリスマス。
で、そのたびに花火。
しかもこれ、業者が上げる花火じゃない。
個人が好き勝手に打ち上げてる。そこら中の民家から音がする。
当日は一日中、どこかで爆発音。
「自由ってこういうことか」って、呆れるくらい自由だ。
子供の学校も当然休みになる。
休みが重なると、ずっと家にいる。
「いつ学校で勉強するんだ?」
って、笑うしかない。
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マレーシアに住んで、もうひとつ驚いたのは“中華系の多さ”だ。
マレーシアは人口比率で中華系が約20%くらい。体感でも納得する。
街を歩けば普通にいる。というか、普通に“隣にいる”。
俺の家の隣も向かいも中華系だ。
マレーシアって「イスラム教国」って思われがちだけど、
俺の日常は、中華系の人たちと顔を合わせる時間が長い。
フィリピンはカトリックが80%以上って、前に教えてもらった。
だから中華系が少なくて、チャイナタウンが“特別な場所”になるのは分かる。
でもマレーシアは違う。
中華系がそこら中にいるから、逆に「中華街」が成り立ちにくい。
クアラルンプールのはあるけど、あれはほぼ観光地だ。
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で、当然こうなる。
中華レストランが、至る所にある。
俺はKFCかマクドナルドに行く以外、だいたい中華系の店に入る。
チャーハン、焼きそば、麺料理。うまい。安定してる。
しかも脂っこくない。
俺の感覚だと、わりとヘルシーに感じることすらある。
イスラム系のご飯は、揚げ物と味が強いものが多い印象。
豚肉がないのは宗教だから仕方ないけど、俺はやっぱり豚のほうが好きだ。
インド系ももちろんある。
カレー系が多くて味も濃い。24時間営業の店も多い。
そのぶん、店によっては衛生面がちょっと気になるところもある。
あと体格が大きい人が多いから、最初は少し威圧感を覚えることもある。
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マレーシアに来て、いちばん驚いた料理がある。
バクテー。
豚肉を香辛料で煮込む。辛くない。
スープは深くて、豚肉はその味を吸い込んでる。
それを、にんにくと唐辛子を潰した醤油につけて食べる。
初めて食べたとき、俺は「反則だろ」って思った。
こういう“うまさ”が、まだ世界に残ってるのかって。
旅行じゃ分からない。
住んで、日常の中で、突然出会って、刺さる。
多民族国家って、言葉で聞くと綺麗だけど、
実際はこうだ。
祝日が増える。子供は休む。花火はうるさい。
でも飯はうまい。文化は濃い。生活は面白い。
俺は今日も、その真ん中にいる。
