酒で変わる人

 

俺の友達や昔の仕事仲間、学生時代の知り合いにも

酒を飲むと別人みたいになるやつは何人もいた。

 

暴言を吐いたり、急に偉そうになったり、人を傷つけたりする。

 

でも一つ言えるのは、そういう人たちも根が悪いわけじゃないということだ。

たぶんみんな、普段はいろんな感情を心の中に押し込めて、我慢して生きている。

そこに酒が入ると、抑えていたものが一気に出てしまうのだと思う。

 

俺も若い頃、大学時代に少しそういうことがあった。

でも先輩に怒られて、酒の飲み方を覚えた。

 

ーーーーー

 

例えば、昔の仕事仲間で後輩が二人いた。

 

仕事はちゃんとやるし、普段は素直で、俺の言うこともよく聞くやつらだった。

でも酒を飲むと人が変わった。

 

最初は我慢して付き合っていたけど、そのうち一緒に飲みに行かなくなった。

残念だけど、そういう生き方をしていると、少しずつ人が離れていく。

人生を損していると思う。

 

たぶん、心の奥では孤独なのだと思う。

本当はもっと愛されたいのに、うまく表現できないのかもしれない。

 

ーーーーー

 

最近、ある人の話を聞いていて、そのことをまた思い出した。

 

父親が酒を飲むと荒れてしまう。

家族はずっと振り回されてきた。

それでも、その娘は父親を嫌い切れないでいる。

 

誤解していたことにも気づいて、

もっと理解しようとして、

今では自分が親の親みたいだと感じているらしい。

 

ーーーーー

 

それは簡単なことじゃない。

酒で崩れる人を見ると、

まわりは傷つくし、疲れるし、うんざりもする。

 

でもその一方で、

その人の中にも言葉にならない寂しさや不器用さがあるのかもしれないと思う。

 

もちろん、それで許されるわけではない。

傷つけられた側の痛みが消えるわけでもない。

 

それでも、

根は悪くないのに、

うまく生きられなくて、

酒のたびに人を遠ざけてしまう人を、俺は何人も見てきた。

 

ーーーーー

 

酒を飲んだ時に出るものは、その人の全部ではない。

でも、普段は押し込めている何かが出ているのだと思う。

 

だから厄介だし、悲しい。

 

そして、それでも見捨てずに向き合おうとする人の愛情は、

思っているよりずっと深いのだと思う。